ヴェブレン効果とは?赤字覚悟の奇策がなぜか大儲けに化けた瞬間


今回は『ヴェブレン効果』について紹介していきます。

ビジネスの世界では、商品の価格は安ければ安いほど売れやすい、という一種の固定観念があります。

しかし、実はこれとは反対に、安くしてしまうと売れづらくなる商品というものも実際に世の中にあります。

そのため、いくら商品を売りさばきたいからといっても、”安売り”というのは安直な考えで、商品によっては絶対に安売りしてはいけない商品もあるくらいです。

これを知らないと、自らのビジネスを破壊するようなことにつながるのですが、後になって

「そんなの知らなかった」

じゃ遅すぎるので、そうらないためにも今回の記事でヴェブレン効果の知識を身に着けておきましょう。

ヴェブレン効果とは

それでは、ヴェブレン効果について説明していきます。

ヴェブレン効果というのは、高価な商品であればあるほど、高い満足感をもたらしてくれる効果のことです。

たとえば、誕生日プレゼントをもらうときに、3万円のプレゼントか3,000円のプレゼントだったら、どっちの方が嬉しく感じるでしょうか?

また、ウイスキーを飲むときに、紙コップで飲むのか、あるいは1万円するロックグラスで飲むのかでは、そのおいしさがまるで違って感じられます。

こんな感じで、人は高いものであればあるほど、高い満足感を感じるようになっています。

宝石が飛ぶように売れていった事例

それでは、ヴェブレン効果をたまたま使って宝石が飛ぶように売れていった事例を紹介します。

アメリカにある宝石店の店主が、かきいれ時の観光シーズンに、上質なターコイズを仕入れてきました。

見る人が見ればその質のよさがわかるターコイズでしたが、観光客向けの商品として置いていたので、あえてお買い得な値段設定にしていましした。

ところが、この上質なターコイズは店主の思惑とは裏はに、全く売れていきませんでした。

ディスプレイを目立つ場所に変えてみたり、従業員に積極的にターコイズを訴求するように指示を出しても、全く効果がありません。

もはやオブジェクトと化してしまったターコイズの売れなさにしびれを切らし、店主は、赤字覚悟で在庫処分することを決意しました。

「この棚の商品は1/2の売価に変更しておくように」

店主は、宝石を買い付けに行く前夜、殴り書きのメモをターコイズのディスプレイに書き残し、そのまま出張へ出ていきました。

数日後。

店主が帰ってくると、きれいにターコイズが完売していました。

店主は別にこれには驚きませんでしたが、ディスプレイケースに付いていた値札を見て驚いてしまいました。

なんと、1/2の価格にするように指示したのに、2倍の価格がついていたからです。

従業員が殴り書きしたメモを読み間違えて勘違いしたのですが、結果的には大成功を収める形となりました。

お手頃な値段では全く売れなかったターコイズが、倍の値段にした途端、飛ぶように売れていったので、これには店主もビックリしてしまいました。

ヴェブレン効果が期待できる商品

なんでこんなことが起きたのかというと、それは、宝石という商品が持っていたある特性に関係しています。

顕示欲を満たす商品

それは、宝石が顕示欲を満たすという特性を持っていたからです。

主に人に見せびらかすための商品というのは、価格が高ければ高いほど、買った人の顕示欲を満たすことができます。

こういった商品は、宝石そのものに価値を感じているというよりも、”100万円の宝石を身に着けている私”に価値を感じているわけです。

これと同じように、車や時計なんかも同じ性質を持っています。

嗜好品

ヴェブレン効果が使いやすい商品には、今言った顕示欲を満たす商品の他にも、嗜好品にも使いやすいです。

嗜好品というのは、酒類や葉巻などの贅沢品と言われるもののことです。

とくに、酒に関してはワインやウイスキーなど、空港の免税店に行くとそれこそ、うん百万もする酒が置いてあったりします。

ブランド品

あとは、ブランドが構築された商品なんかもヴェブレン効果を使いやすい商品です。

たとえば、アイドルなんかも一種のブランド商品なわけですが、仮にアイドルとデートできる1日デート券が300円で売られていたとしたら、ファンはどう思うでしょうか?

あなたの好きな芸能人に置き換えて考えてみてもらいたいのですが、あなたの好きな芸能人とデートできる権利が、二束三文で売り叩かれていたら、

「なんでそんなに自分を安売りするんだ!」

と、憤りを感じたり、少し寂しくなってしまわないでしょうか?

好きな芸能人がいない人は、自分の恋人や好きな人が自分のことを安売りしてたら…と想像してみてください。

だんだんと、腹が立ってくるのではないでしょうか。

ブランドメーカーはブランドを守るために値引き率の限界を定めている

こんな感じで、ブランドがウリとなっている商品に関しては、安売りしてしまうと自らの価値を破壊してしまうことにつながってしまいます。

実際、有名なブランド商品というのは、ブランドを守るためにメーカーサイドで値引率の限界が決められています。

価格ドットコムで欲しい商品を調べた時に、最低価格が並んでいるのは、なにもショップ同士で結託しているわけではなく、ブランドを守るためにメーカーがそうした基準を設けているからです。

あなたも、もしも今ある商品が売れなくて困っていたなら、いっそのこと価格を上げてみるという思い切った戦略もアリなのかもしれません。