アドセンスのレポートを見たとき、ある時を境にいつの間にかクリック単価(CPC)が下がっていた…なんてことはないでしょうか?

アドセンスの収益は『ページュビュー × クリック率 × クリック単価』ではじき出されるので、クリック単価の低下はアドセンスの収益にもろに響きます。

一体、クリック単価はどうして下がるのか?

この記事ではアドセンスのクリック単価が下がる原因とともに、クリック単価を上げるための対策を7つ紹介していきます。

クリック単価が下がる原因

クリック単価が切り下がったときに検証すべき主な原因は3つです。

まずはクリック単価が下がる原因を把握しておきましょう。

原因1.時期による影響

アドセンスの広告収益は、そもそも広告主が広告を出稿していることで成り立っています。

広告主はWeb上に広告を表示するため、広告スペースをかけて複数の広告主とオークションを行い、このオークションに競り勝った広告が表示されるという仕組みになっています。そのため、複数の広告主が広告を出稿すれば、その分だけ競争率が上がるので広告単価も高くなっていきます。(広告主側からしたら「入札単価」)

これはつまり、アドセンス広告のクリック単価が高くなることを意味しています。

この逆に広告主が広告を控えればその分だけ競争率は低下、広告単価も下がるためクリック単価も下がっていきます。

これがアドセンスのクリック単価変動の基本的な仕組みで、乱暴な言い方をすれば「クリック単価は広告主に依存する」ということです。

たとえば、ハロウィン・クリスマス・年末商戦などのイベントの時期。もしくは、マーケティング担当者が割り当てられた予算を消化しようとする3月・6月・9月・12月などの決算月(四半期決算の場合)。

こうした時期はいつもより多くの広告費が使われるようになるため、これに伴ってクリック単価も上昇する傾向にあります。

こんな具合に広告が活発になる時期になれば、それが影響してクリック単価も上がっていくわけですが、活発になる時期があるということは、この逆に広告が不活発になる時期もあります。

たとえばそれはいつかというと、マーケティング担当者が予算の振り分けを行う各四半期の前半の時期。

この時期は予算策定のために広告がまだ回されていないことも多く、クリック単価もこれにつられて下がる傾向にあります。

原因2.広告ブロックによる影響

アドセンスの設定には”広告の許可とブロック”という設定項目があり、各広告カテゴリのチェックとどういった広告カテゴリがどのくらい収益に貢献しているのかといことを見ることができます。

この貢献度を見て広告をブロックすることにより、サイトにマッチした広告を表示させやすくするといったことができるのですが、広告をブロックするとオークションに参加する広告主が減ることになり、広告スペースの競争率が下がり、広告単価減少を招きます。

つまり、広告をブロックしすぎてしまうと、クリック単価の低下を引き起こしてしまう原因になるということです。

そのため、広告ブロックは自分のサイトに訪れるユーザーに不適切だと思う広告だけをブロックしていきましょう。

こうすることにより、サイトテーマと全く関係ない広告や、いかにもうさんくさい広告を弾くことができるので、ユーザーエクスペリエンス(サイトの体験価値)を上げることができます。

原因3.スマートプライシングによる影響

スマートプライシングとは、AdWordsに備わっているGoogleの機能で、広告がクリックされたあと広告が成果につながっている可能性が低いと判断された場合、自動的に広告単価が引き下げられる機能のことです。

Google では、Google ネットワーク上のデータをさまざまな要素に基づいて常に分析しています。これらのデータから、Google ネットワークのページでのクリックがビジネスの成果(オンラインでの売り上げ、登録、電話での問い合わせ、ニュースレターの購読申し込みなど)につながる可能性が低いと判断された場合は、そのページでの入札単価が引き下げられます。

参考:Smart Pricing とは – AdWords ヘルプ

広告主はGoogleに広告に出すことによって、成果が生まれることを期待しています。

もし、広告を打っても効果がなければ広告主は損する一方ですので、Googleが広告主の利益を守るために成果につながらない広告の費用を抑えるというわけですね。

これは裏を返せば「クリック単価が下がった」=「サイトに表示されている広告から成果が生まれていないのでスマートプライシングが働いた可能性がある」ということです。

スマートプライシングでは、広告の表示につながったキーワード、サイトのテーマ、広告が配信されたページの種類など、こうしたさまざまなデータが考慮されて広告単価の引き下げが自動で実行されるので、こちらからスマートプライシングが原因だということを特定することはまずできません。

これは一見、アドセンスを利用している人からすると耳の痛い話かもしれませんが、Googleが広告主の利益を確保してくれているからこそ、広告主は安心して広告費を払うことができ、アドセンス利用者に利益を分配することが可能になっているわけです。

スマートプライシングについての詳しい動画(Google公式)

クリック単価を上げる対策

これまでにクリック単価が下がる原因について話してきたので、ここからは「じゃあどうやってクリック単価を上げるんだい?」という本題の話しをしていきます。

こちらができる対策としては全部で7つほどあり、すぐにできるものから順番に紹介していきます。

対策1.広告ブロックの解除

あまりに広告をブロックしているとオークションの競争率が下がり、これが原因でクリック単価が下がることがあるため、必要以上に広告をブロックしているようであれば広告のブロックを解除しましょう。

広告の解除方法はアドセンス管理画面から”広告の許可とブロック”に進むことで、ブロック解除の設定ができます。

対策2.テキスト広告とディスプレイ広告の両方が表示されるようにする

アドセンス広告ユニットの広告タイプが”テキスト広告とディスプレイ広告”になっていないようであれば、広告タイプを”テキスト広告とディスプレイ広告”に設定しておきましょう。

広告スペースのオークションが行われるとき、テキスト広告とディスプレイ広告がオンになっていれば、この2つを合わせてオークションが行われるのですが、広告ユニットの設定でどちらか片方しか表示しない設定にしているとオークションの競争率が下がり、これに伴ってクリック単価が低下してしまいます。

つまり、広告タイプを両方表示するようにしておけば、オークションの競争を促進することになるので、クリック単価を引き上げることができるということです。

対策3.パフォーマンスの高い広告サイズに切り替える

広告ユニットのサイズを最適化することにより、クリック単価を上げるとともにクリック率アップも期待できます。

広告サイズは単純に大きいものほどそのパフォーマンスが高くなります。

この理由は単純に目につきやすいといった理由と、アドセンス広告が大は小を兼ねるという性質を持っているからです。

たとえば、レクタングル大(336×280)の広告サイズを採用した場合、この広告スペースをかけてオークションが行われるときに、レクタングル大(336×280)よりも小さいレクタングル中(300×250)を含んでオークションが行われます。

一方で、レクタングル中を採用した場合、オークションが行われたさいに広告スペースのサイズをオーバーしているレクタングル大はそもそもオークションに参加できないためオークションの競争率が下がり、これによってクリック単価が下がります。

このため、もし小さいサイズの広告を採用しているようであれば、これを大きなサイズの広告に切り替えることでクリック単価向上が期待できます。

ちなみにGoogleアドセンスの公式ヘルプではパフォーマンスがいい広告ユニットをいくつか紹介していて、それらを表としてまとめると次のようになります。

表の意味については次の意味になります。

  • テキ・・・テキスト広告対応
  • ディス・・・ディスプレイ広告対応
  • モバ・・・モバイル テキスト広告とディスプレイ広告(ハイエンド携帯端末用)
 

サイズ

種別

テキ

ディス

モバ

レクタングル大

336×280

長方形

レクタングル中

300×250

長方形

ビッグバナー

728×90

横長バナー

モバイルバナー大

320×100

横長バナー

ハーフページ

300×600

縦長バナー

ワイド スカイスクレイパー

160×600

縦長バナー

以前はモバイルページへの推奨広告サイズとして長方形サイズは「レクタングル中」を指示するヘルプがあったのですが、今は該当のヘルプページがなくなっているようです。

これはスマホが進化したことにより、画面サイズ(解像度)が上がって表示できる広告サイズが広がったことが関係していると思われます。

ただし、いまだ広く使わているiPhone5だと解像度が320×568と、レクタングル大がはみ出してしまうサイズなのでこれには配慮する必要があります。

※iPhoneの機種別シェア率(Mixpanel調査 2016年の情報)

  • iPhone 6 – 35.06%
  • iPhone 5s – 19.1%
  • iPhone 6s – 13.73%
  • iPhone 6 Plus – 8.54%
  • iPhone 5 – 7.64%
  • iPhone 5c – 5.87%
  • iPhone 6s Plus – 4.27%
  • iPhone 4s – 4.03%
  • iPhone 4 – 1.74%
  • Older iPhones – .03%

参考:bgr.com

対策4.偶発的クリックを防ぐ広告配置の見直し

偶発的クリックというのは簡単にいえば誤クリックのことです。

アドセンスではユーザーが意図して広告クリックしても、操作ミスして誤って広告クリックしたとしても報酬が発生します。

しかし、誤クリックしたということは、もともと広告には全く興味がないユーザーであると言えるため、こうしたユーザーは広告先のページからすぐに離脱してしまいます。

これはつまり、何を意味するのかというと「成果につながらないユーザーを送客してしまった」ということになります。

これが積み重なればGoogleは広告主の利益を守るためにスマートプライシングの機能で広告単価を切り下げます。

ここで重要なことはいかに偶発的なクリックを避けるような配慮をするかということです。

偶発的なクリックが増えれば一時的に収益が増加するかもしれませんが、長期的に見れば広告単価が切り下げられるわけですので、かえって収益低下を引き起こしますし、最悪、アドセンスからペナルティを喰らうこともあります。

これを防ぐためにはリンクやボタンなど、操作されやすい位置ではそれらと広告を少し離し、誤クリックが起きないような配置をすることです。

対策5.カスタムチャネルを利用する

カスタムチャネルというのは、複数の広告ユニットをひとつのグループにまとめて管理できるというアドセンスの機能のことですが、これを利用することによって広告主にあなたが所有しているサイトの広告スペースをアピールすることができます。

カスタムチャネルを通して広告主にアピールするためには、アドセンス管理画面から”広告の設定 > カスタムチャネル > 新しいカスタムチャネル”を作成し、”このカスタムチャネルをターゲット設定可能な広告プレースメントとして広告主に表示する”にチェックを入れます。

すると広告主に向けて自身のサイトの情報や広告スペースの情報を伝えることができるようになるので、ここで広告主に向けてのアピール文を書きます。

なお、ここでのアピール文が不実(嘘や誇張など)だとカスタムチャネルを作成できなくなったり、報酬が減額されたり、アドセンスアカウントが無効化されるといったペナルティを受けることがあるので誠実に書きましょう。

AdWordsでは、広告主がどのサイトに広告を表示するかというプレースメントの設定を手動で行うことができます。

そして、「このサイトから来た人は商品買ってくれる率が高いな」などと広告効果が高いと思ったら、広告が表示される可能性を増やすために広告単価を高く設定してくれることがあります。

この逆に「このサイトは効果が出ないな」と思われた場合には、広告単価を切り下げられることもあります。

対策6.広告主のツボを押さえた記事を投入する

ここからはサイト育成の戦略面を考えてクリック単価を上げる対策になります。

時期によってクリック単価が変動するという話しをしましたが、これ以外にも広告オークションに影響してくる要素には次のものがあります。

  • 季節的なキャンペーン: 広告主は 1 年の特定の時期だけ実施するようにキャンペーンを設定できます。短期間でいつもより多くの費用を投入したり、入札単価を大幅に変更したりします。
  • 広告のターゲット設定: 広告主は特定のキャンペーンの広告を AdSense サイトに掲載するにあたり、コンテンツ ターゲットとプレースメント ターゲットのいずれかのターゲット設定を選択できます。
  • 地域ターゲティング: 広告主は特定の地域を広告のターゲットに設定したり、時間帯に合わせて入札単価を調整したりできます。
  • コンバージョン オプティマイザー: 広告主がコンバージョン オプティマイザーを使用している場合は、特定のターゲット設定でクリックやコンバージョンを獲得できるように入札単価が自動調整されます。

参考:広告オークションについて – AdSense ヘルプ

これはつまり、季節的なことや地域的なこと、サイトに訪問してくるユーザー層が広告オークションに関係してくるので、これらの広告が競争すればクリック単価が上がりやすくなるということです。

たとえば、クリスマスの時期には企業がクリスマスキャンペーンの広告を一斉に配信します。この時、あなたがクリスマスプレゼントに関する記事を書き、購買意欲が高い層を10万人集めることができれば広告主はそのサイトに広告を表示したいと思うので、その記事の広告スペースをめぐって激しい競争が起き、広告単価が切り上がっていきます。

また、東京で税理士を探している人をターゲットに記事を書けば、今度は東京の税理士事務所がその広告スペースを欲しいと思うので、ここで競争が起きて広告単価が切り上がっていきます。

こんな具合に、広告オークションに影響してくる要素を把握し、ツボを押さえた記事を書けばクリック単価を上げることができます。

対策7.広告内容に興味を持つユーザーが集まるサイトを作る

こちらは「サイト設計からクリック単価を上げる対策をしていこうぜ」という大掛かりな対策になります。

アドセンス広告はサイトのテーマにあった広告が配信される仕組みがあるため、サイトのテーマを絞れば特定のテーマに興味があるユーザーを集めた上で、そのテーマにマッチした広告を見せていくことができるようになります。

たとえば、スマホゲームにテーマを特化させたサイトを作れば、そのサイトに訪れるのはスマホゲームの興味関心が高いユーザーとなります。

そして、そのサイトのアドセンス広告にはコンテンツにマッチしたスマホゲーム広告が配信されやすくなるので、ユーザーも「他に面白いスマホゲームはないかな?」と興味を引かれて広告をクリックし、そのままダウンロードするといった現象が起きやすくなります。

この場合は質が高いユーザーを送客してることになるので、クリック単価が上がりやすくなります。

まとめ

クリック単価が下がる原因とその対策を紹介してきました。

まとめると、クリック単価が下がる原因は次の3つ。

  • 原因1.時期による影響
  • 原因2.広告ブロックによる影響
  • 原因3.スマートプライシングによる影響

そして、この原因を踏まえた上でクリック単価を上げるためにこちらで打てる対策としては次の7つ。

  • 対策1.広告ブロックの解除
  • 対策2.テキスト広告とディスプレイ広告の両方が表示されるようにする
  • 対策3.パフォーマンスの高い広告サイズに切り替える
  • 対策4.偶発的クリックを防ぐ広告配置の見直し
  • 対策5.カスタムチャネルを利用する
  • 対策6.広告主のツボを押さえた記事を投入する
  • 対策7.広告内容に興味を持つユーザーが集まるサイトを作る

対策は上から順に即効性があるものになっています。

技術的な操作で解決の糸口となる対策もあれば、根本的な部分を改善する必要がある対策もあります。

クリック単価は広告主の影響に左右されるので、こちらで対策できることはあまり多くありません。なので、収益改善施策として注力すべきはページビューとクリック率の改善、これに力を入れた方が効果的です。

いずれにせよ質の高い記事をいかに多く作り、露出させていくのかということが収益アップのカギになってきますので、『記事の質と数』。

これを意識してサイトを更新し続ける。

そうすれば自ずと収益はついてきます。