円錐角膜の治療で角膜リング手術をすることになり、30万円の手術費を支払いました。

ここまできたらもう、後には引き返せません。

そして、手術当日。

南青山アイクリニックに到着。

そこで待ち受けたていたものは・・・?

今回はそんな手術体験談になります。

※この記事はシリーズ5番目の記事になります

手術を受ける前に

いきなり手術の話しに入る前に、事前に先生から術後に経過観察のための検査があるということを教えられていました。

この検査は計3回あり、

  • 術後1日後
  • 術後1週間後
  • 術後1ヶ月後

と、期間をおいて行いました。

私の場合、新潟から病院までの距離が遠かったため、たしか検査の数を減らしてもらったのですが、それでも3回の検査。

なかなかしんどいです。

とくに、術後1日後の検査は手術翌日に検査するため事前に宿を取っておくことをおすすめされたので、その通りに宿を取って手術に臨みました。

術後、すぐ近くに帰る場所があるというのも安心できますね。

ほんの豆知識程度の知恵ですが、手術してから宿に向かおうとすると片眼使えずに宿を探すことになるので、予め宿の位置は手術前に確認しておくと吉です。

手術のためにいざクリニックへ

ここからいよいよ手術の体験談に入っていきます。

とうとうやってきた手術の日。

新幹線で東京駅に着き、そこから山手線で原宿まで行き、徒歩で南青山アイクリニックに向かいました。(歩いて25分くらい)

たしかちょうど5月の初夏の季節。

汗ダラダラでクリニックに到着しました。

クリニックはその日は一般には休業日だったかで人がかなり少なかった気がします。

「なるほど、人が少ない休業日の間に手術を行っているのか」と医療の現場の裏側を目の当たりにして少しテンション上がった記憶があります。

最初にお薬を飲みます

「気分を落ち着かせるお薬ですので、飲んでおいてください」

カウンターで受付を済ませると間髪入れずにそう言われ、錠剤の薬を渡されました。

精神安定剤かなんかだったのでしょうか。

よくよく考えてみると医者からもらった薬って疑いもせずに飲んでますけど、実はその効果はあんまり知らなかったり。

まぁそれはさておき、クリニック内に置いてあったウォーターサーバーを使い、水と薬をゴクゴク飲みます。

調子に乗って2杯も飲みました。だって、汗ダクダクだったし。

手術当日なんでやっぱり緊張しているかと思ったんですが、手術前の待機期間でドキドキが消化されていたせいか、実は薬を飲む前から既に妙に落ち着いた精神状態でした。

なので、薬の効果のほどはよくわかりません。

眠くなるわけでもなかったし、別にこれといって変化を感じはしませんでした。

手術前の下準備

薬を飲んだあと、麻酔の目薬をさしてもらいました。

効果が現れるまでに少し時間がかかるので、その間に諸々の下準備です。

中待合に通され、ここでビニールのキャップをかぶって髪の毛が邪魔にならないようにします。

ちょうどそのとき、東京歯科大学市川総合病院の先生がいて挨拶しました。

白衣じゃなくて手術着を着ていたのでまるで別人のように感じました。

「あ、やっぱりお医者さんって診察だけじゃなく、普通に手術もするんだなー」

ごくごく当たり前のことを改めて実感しながら、フランクに声をかけてくれる先生に感謝。心強い。

そして、ベンチに座って待っている間に、養生テープみたいな粘着性が弱いやつでペタっと肩に自分の名前が書かれた名札を貼られます。

おそらくあれでしょう、患者を間違わないための措置なんでしょうけど、こういうのってテレビでもあんまり見たことない光景だったので、この時に「あ、俺手術受ける患者なんだ」と妙に生々しく感じたものです。

麻酔が効いてきたら目にマーク

中待合には私以外にもう一人若い男の人がいて、その人もただただ静かにぼんやりと時間が過ぎるのを待っていました。

部屋に漂う妙な緊張感。

麻酔が効いてきているせいか、視界も思考もいつも以上にぼんやり。

そんな折、先生に呼ばれました。

「いよいよ手術の時がきたか」

そう思って唾をごくり、飲み込んでから部屋に入ると・・・中には拡大鏡と丸椅子がちょこん。

「あれ?」と思ってると、

「目にマークするのでここに座ってください」

先生から一言。

いきなり手術かと勘違いしていたのですが、そうではなく、目に切れ目を入れるための目印をつけるため、まずは目にマークをつけるんだそうです。

目にペンで印をつけられます

「では、あごを乗せてください」

私は拡大鏡にあごを乗せました。

「麻酔効いてるから大丈夫だと思うんですが、もし痛かったら言ってくださいね」

そう言いながら何かを取り出す気配を感じました。

それが何かは拡大鏡による逆光でよく見えなくてわからなかったんですが、何かこう目がグッ、グッ、と押されてる感覚。

一言でいえばとても奇妙。

グッ、グッ、と押されてるとともに、視界の端っこにちょっと黄色い光みたいなのが映るようになりました。

「はい、終わりました」

そういって拡大鏡からあごを離すと、先生はペンをテーブルに置いてました。

「え?ペン?」

ペンはマジックペンくらいの大きさ。

部屋に入ったときは仕事用に使うやつかと思って気にもとめてなかったんですが、目のマーカー用だったみたいです。

鏡で確認してないのでよくわからないのですが、視界の端に黄色い映像がうっすら映るようになっていたので、ペンはペンでも蛍光ペンみたいな感じのやつなんじゃないかと思います。

たぶん、麻酔なしだと普通に激痛だと思うのでよい子は絶対に真似しないように。

いよいよ手術台へ

目にペン入れが終わったあと、また中待合に案内されました。

それから少しして、先生が再度呼びに来ます。

「手術の準備ができたけど、最後にトイレは大丈夫?」

手術が始まればトイレには行けません。

先生からの話しでは手術は早ければ30分〜1時間で終わるとのこと。

なので、事前に何回かトイレを借りていたのですが、別に無理して行かなくても最後に声をかけてくれるので焦る必要はなかったみたいです。

もう出すものもなかったのでトイレは借りずにそのまま手術室に入りました。

部屋には先生の他にも助手と思われる看護師さんが3〜4人。

部屋の中央にはベッドがあり、そのすぐ上にはUFOの下側部分みたいな仰々しい光を放つ機械が威圧感を放っていました。

「これが手術台か…」

手術台に向かって歩き、どこかのタイミングで履き替えたスリッパを脱ぎ、手術台の上で横になります。

「いよいよだ・・・どうか神様、無事に成功しますように…ここさえ乗り切ればあとはきっと楽しいことが待ってるはず・・帰ったら快晴の下バーベキューしてみたいな。そういや今日は風呂入れるのかな?眼帯とかしなくちゃいけないのかな?…うわってか眩し」

少し汗ばんだ手を強く握ってグッパしながら自分の感触を確かめていると、頭の真上にUFOの下側部分が強烈な光を放ってやってきました。

ついに始まります。

術式開始

角膜リングの手術概要は次の通り。

  1. 開眼器を使って目を固定
  2. レーザーで切開
  3. リング挿入

開眼器を使って目を固定

手術中はずっと目を開いている必要があるため、開眼器を使って目をこじ開けます。

おそらく、患者が一番がんばらないといけないのはここです。(あとは強いていえば、手術当日に合わせての体調管理)

頭の真上にあるライトが半端じゃなく眩しかったですが、そこは気合で目を見開くしかない。

眩しいのは苦手ですが、鬼のように目をカッと見開きます。

先生も助手も手慣れているので、思いっきり目を見開いたらすかさず開眼器をセットしてくれるので助かります。

開眼器で固定されたあと、目が乾くとよろしくないので生理用食塩水かはわからないですけど何かしらの液体が目に注がれます。

量は目が溺れちゃうくらいドパドパと、頻度も1分間に2〜4回くらい。冗談抜きに目の上で洪水が起きてました。(あくまで体感)

そしてこれを先生が術式を進める合間に、助手が絶妙なタイミングで頻繁に水を注入します。

それはもうまるで、阿吽の呼吸の餅つきを思わせるか如く。

レーザーで切開

開眼器をセットしたあと、次にレーザーメスで角膜に切れ込みを入れます。

レーザーの機械がウィーンと顔の上にやってきて、「ジ」という音とともに目に軽く何かが当たった感触と、少しタンパク質が焼け焦げた臭いがしました。

「一体、どんな風に切開されるんだろう?」

そう思っていたのも束の間、瞬きする間もなく、一瞬のうちに切開は終了。(開眼器してたんだから、そりゃ瞬きする間がないのは当たり前だろというツッコミ歓迎)

髪の毛が焦げたような匂いで「あ、終わったんだ」と気が付きました。

一応、レーザーが当たる前に先生から「ゴムでパチンとされたような感じがするかもしれません」と言われたのですが、全然そこまで強い感覚はなく、痛みもなし。

最新医療ってすごいですわ。

リング挿入

そしてここからがいよいよ本番です。

レーザーメスで切開した切れ込みに角膜リングを挿入します。

この作業は思ったよりも原始的で、先生がリングをピンセットでつまみ、それを力ずくで押し込んでいくというもの。

力ずくといっても麻酔効いてますし、そんなにバカみたいに力押ししているわけじゃないので痛いわけではありません。

ただ、グッ、グッ、と押し込まれる妙な感覚はあります。

角膜リングは非常に小さく、先生は顕微鏡を通しながらリング挿入作業をしています。

非常に神経を消耗する作業。

助手の人が何度も先生の汗を拭きます。

その間にも他の助手は私の目にドパドパ水を注ぎます。

この間、私の視界は全然はっきりしないのですが、ふと、リングらしきものが通ったのがわかりました。

手術終了

「入りました!」

リング挿入作業からしばらくした後、先生が喜びの声をあげました。

無事にリング挿入完了です。

最後に目の絆創膏としてソフトコンタクトレンズを被せ、手術は終了しました。

開眼器を取り外してもらい、ティッシュを受け取ってびちょびちょに濡れている目の周りをふんわりと拭き取ります。

手術台から身体を起こすと、先生は汗だくでした。

「おつかれ様です。」

私も、先生も、助手の皆さんも、みんなそう口を揃えます。

無事に手術が済んだようでみんなホッとし、喜んでいました。

終了後の一休み

手術終了後、手術室から出て学校の保健室みたいなカーテンで仕切られた小さなスペースに案内されました。

そこにはゆったりできるようなソファがあり、ブランケットも用意されていました。

「20分経ったらまた呼びにきますので休んでいてください。もしその間に何かあればボタンを置いておくのでこれで呼んでください」

看護師にそう言われ、ソファに腰掛け目をつぶります。

そうして静かに20分経った頃。

身体はぐったり疲れていたので寝ようとしたんですが、脳が緊張していたのか眠りに落ちれませんでした。

看護師の人が呼びにきて、私はそのまま目を開きました。

たしかその後、一度手術した目の様子をみてもらった気がするのですが、この時のことは疲れのせいかよく覚えていません。

とにかく「やっと終わった・・・」という安堵感でいっぱいでした。

帰りの受付にて

最後、受付にいって3種類の目薬、眼帯、保護用メガネをもらいました。

目薬は朝、昼、おやつ時、夕方、夜の計5回ささねばならず、中でも一本だけ弁当についてくる醤油サイズの容量たっぷりな目薬があって、これは使用時に丸々一本使わないといけなかったので結構ハードでした。(目がびちょびちょになるためティッシュ必須)

眼帯は透明プラスチックのもので、テープを使ってガッチリ固定します。

これを使えば「寝てるときに目をこすってしまうかも…」といった心配も不要。

保護用メガネは日中の生活で目を保護したいときに使います。

どっちかというとゴーグルに近いかも。

つるはアタッチメント形式になっていて取り替え可能。

ゴムバンドタイプとプラスチックの普通のつるタイプのつるがあります。(なお、つるタイプは紛失してしまった模様)

目薬、眼帯、保護用メガネ、これら三種の神器を全て受け取った後、「ありがとうございました」とクリニックを後にしました。

まとめ

手術を受けると覚悟したときはドキドキものでしたが、いざ当日になれば既に覚悟は固まっているものです。

妙な落ち着きを持って手術に臨むことができました。

手術の体感時間は20分くらい、思ったよりもあっという間。

ただ、帰り際に時間を確認してみるとクリニックに入ってから3〜4時間ほど経過していたので、待ち時間を考慮しても実際はもっと手術時間がかかっていたんじゃないかと思います。

あと、風呂とかは濡らさなければ手術当日でも普通に入れるといわれたので軽く入りました。頭は洗いませんでしたけど。

また、手術が終わった直後は見え方が半端じゃなく悪いです。

しかし、3日〜1週間ほどすると安定してくると言われていたので、「さぁ、手術も終わったし、これで目が良くなるぞ!」

そんなウキウキ状態だったのですが・・・

「「はたして、手術後の見え方は…?」」

次回は、これについて書いていきます。