角膜リング手術を受けて無事にリング挿入も終え、1ヶ月に及ぶ3回の経過観察も無事に済みました。

しかし・・・それからもうしばらく経ったあと、成功したかのように思えた角膜リングに異変が起こりました。

一体、何が起こったというのか?

今回はそんな体験談になります。

※この記事はシリーズ7番目の記事になります

角膜リング手術から3ヶ月で異変発生

角膜リング手術を受けたのは5月の初夏の時期でした。このときに行った手術は無事に成功し、それから3ヶ月が経った8月のある日・・・

その日はちょうど花火大会があった日でした。友人と一緒にでかけ、夜空に打ち上がる花火をぽうっと眺めていたとき、それは起こりました。

「あれ…?なんか目が痛い…」

「目にゴミでも入ったのか?」最初はそう思って気にもとめなかったのですが、、10分経っても、30分経っても、1時間経っても目の痛みは治まらず。

終いには涙もでてくるようになり、結局、花火大会の後半の方は目を開けれないほど。結局、最後の方は音だけ聞いて泣きながら楽しんでました。

それから2週間

「寝れば治る。」

花火大会から帰宅後、そんな風に考えていたのですが、一夜明けても、一週間たっても、二週間経っても痛みは収まらず。

それどころか時に激痛を発するようになってまともに目を開けてられないし、正面を見ることもできない。

どうやら目線を水平以上にすると痛くなることがわかったので、目線は極力上げないように、常に下を見るようにして行動していました。

テレビを見る時も仁王立ちで見下ろすように視聴するスタイル。なんともシュールなのですが、座って見ようものなら激痛が走り3分も持ちません。

また、朝起床したときも激痛ですぐには起きれないようになります。

目が覚めたあとも目をつぶりながら20分ほどスフィンクスのような四つん這いの体制で枕に顔を押し付け「うぅ、うぅ…」とうなって痛みを逃してからやっと起きれる。そんな状態でした。

異変を感じて地元の眼科へ

寝起き直後は痛みで悶絶していたので、四つん這いになってうめいてる光景だけみたら相当ヤバイ奴だったと思います。

ただ、それくらい常軌を逸した痛みなわけで。「ほっときゃ治る」と最初は悠長に構えてましたが、さすがにもう限界です。

地元の眼科へ行き、調べてもらうことにしました。

「う〜ん、特に問題は見つからないですね」

検査を受けるために目を大きく開ける必要がありますが、痛みで全然目が開かず大苦戦。目を開けようとするほどに目が痛み、涙はボロボロ、もう必死です。

そうして泣きながら診てもらったものの、地元の病院では原因はよくわからず。

「うちではわからないので手術した先生の所でもう一度診てもらったほうがといいですね」

結局、紹介状を書いてもらい、9月にふたたび千葉の東京歯科大学市川総合病院に行くことになります。

解決のために東京歯科大学市川総合病院へ

「まさかこんなにも早くまたここに来るとは・・・」

つい数ヶ月前もきたので慣れた足取りで病院の入り口から眼科に向かい、紹介状を渡して受付けを済まします。

待合で待ってる間も目に走る痛みは手を休めてはくれません。

目をつむって深呼吸し気持ちを落ちつかせ、あまりに痛むときは歯を食いしばったり、腕や足をつまんで別の痛みでごまかしていました。

そうこうして痛みと格闘しているうちに呼び出しのアナウンスがかかります。

激痛の原因が発覚

簡単な検査を済ませ、先生の診察にかかります。

「目が痛くなったんです、何かがおかしい、だから見て欲しい」と伝えた後、拡大鏡で目を診てもらいました。

「リングが飛び出てきてますね」

やはり大きな病院だと違います。

地元の病院では原因不明と診断されましたが、円錐角膜の専門がある大病院だと「リングが飛び出てきてる」とすぐにわかるのですから。

ただ、この言葉を飲み込んで理解するのに若干時間がかかりました。

「角膜リングが角膜を突き破って出てきてます」

どうやら一度は埋め込み手術に成功した角膜リングが、なぜか角膜を突き破って飛び出てきてしまったようです。

そりゃ痛いわけだし、涙もちょちょ切れるわけです。激痛で悶絶するのも納得です。

急展開な事態にだいぶ戸惑いましたが、とりあえず痛みの原因がわかったので助かった気分でした。

しかし、、悲しいかな。この時点で角膜リング手術は最終的に失敗に終わった、と理解できました。

教授も現れる

「少し検査しますね」

角膜リングが飛び出してしまっていたため、まずは角膜の内側にばい菌が入ってないかどうかの検査が入りました。

幸いにも角膜の内側にばい菌は入っていなかったようで、ホッと一安心。

「他の先生にも共有したいので少し待ってもらってもいいですか」

一通り検査を終えたあと、そう言われて了承すると何人か他の先生がやってきました。

その中でも特に印象に残っているのが、周りの先生たちから「教授」と呼ばれていた人です。おそらく、先生の先生的ポジションの偉い人だと思うのですが私の目を診て、「これは早く取ったほうがいいね」と担当医の先生に言っていました。

今はばい菌が入っていないけど、早く取らないとこの傷からそのうちばい菌が入ってきて大事になってしまう危険性があるとのこと。

そんなわけで、その日のうちに摘出手術の予定日を決めることになりました。

非常に稀なケースらしい

「これまで数百人以上診てきたけど、角膜リングが飛び出した例はアメリカ人で一人だけです。日本では初めてみました」

担当医の先生いわく、角膜リングが角膜を突き破って飛び出てくるのは相当稀なケースのようです。

“日本で初めて”と言われるとなんか嬉しいような気もしなくもないですが、もうちょっと別な形がよかった。

ちなみに、手術時には上手く埋め込みも成功していたし、1ヶ月検診のときは傷も治ってきて順調だったのですが…だから、飛び出てきた原因は不明です。

余談ですが、角膜リング手術してから摘出を希望する人は一定の割合でいるようです。

その理由は見え方に違和感があるから取りたいとか、あまり改善しなかったから取りたいとか、そういった理由だそうです。

角膜リング摘出手術の費用について

本来、角膜リングの摘出手術にも手術代がかかります。

ただし、私の場合は摘出せざるを得ない状態になったことと、角膜リング手術をしてからまだ日が経っていないということでこの手術代は免除してもらいました。(なので、摘出手術にかかる費用はよくわからない)

手痛い点としては、角膜リングを埋めるときに支払った30万円は返ってこないということです。

これは角膜リング自体が特注で高額なためで、手術の費用は実質それほど含まれていないからなんだそうな。

30万円は水の泡と消えてしまいました。

だからこそ、こうした事情も含んだ上で摘出手術の費用免除は向こう側から提案されました。

角膜リング摘出手術を体験

東京歯科大学市川総合病院の検査から一週間後、摘出手術は最新設備が整っている南青山アイクリニックで行われることになり、私は再び青山に向かいました。

この頃にはもう10月になっています。

それで手術はどうだったのかというと、円錐角膜リング手術をしたときと同じような流れで進みます。

まず精神を落ち着かせる薬を飲み、麻酔の点眼をし、そのまま摘出手術となりました。

摘出手術は、人によっては数十分くらいでスポッと簡単に取れたり、なかなか取れずに数時間格闘することもあると聞いていたので、時間の目処は予測がつきませんでした。

しかし、私の場合は角膜リングがすでに角膜を突き破って飛び出ていたこともあり、大体30分ほどで終わりました。

角膜リングを取る方法はピンセットでぐいぐい引っ張る感じです。

摘出後、絆創膏代わりにソフトコンタクトレンズを貼り、最後に目のチェックをして終了。

その後、角膜リング手術をしたときと同じように一日後、一週間後、一ヶ月後と、計3回の経過観察のための診察を受けました。

そして、今に至ります。

角膜リングの飛び出し画像

「記念に摘出したリングと診察してもらったときの写真が欲しいんですが…」

クリニックで目を診てもらったときに診察時の画像データを見せてもらったので、帰り際に写真もらえませんか?とダメ元で頼んでみました。

そうしたら「わかりました。写真の方は1枚600円になりますがいいですか?」とあっさりOKをもらえました。

もらえないものと思ってましたが、頼んでみるものですね。

そうして、画像データの中から現像して欲しい写真を6枚ほどピックアップし、現像をお願いして写真を受け取りました。

そしてなぜかサービスで1枚300円に安くしてもらった気がします。

で、その時にもらった一式がこちら。

診察時に撮影してもらった写真はカルテ情報の一部として取り扱われているようで、『個人情報の開示請求に対するご通知』という書類と合わせて写真や摘出したリングをもらいました。

で、その時にもらった写真のうちの2枚がこちら。

他のやつはわかりづらかったり、気持ち悪かったりするので比較的わかりやすく、かつ、あんまり気持ち悪くない2枚をチョイスして公開しました。

この写真をみたときに初めて、自分の目のどこに角膜リングがあったのかとういうことを把握しました。

なんだかんだ自分の目のどの位置にリングがあったかは鏡で見てもよくわからなかったんですが、写真にしてみるとわかりますし、どこが突き破られたのかもわかります。

目線を上の方にやると激痛が走ったんですが、それというのも目の上側の方が突き破られていたからですね。

目線を上に動かすと破られた箇所がまぶたでこすれたりして痛かったわけです。

自分の中でなぜ目線を上に動かしたときに痛いのか謎でずっとモヤモヤしていたのですが、これで全てがスッキリしました。

まとめ

円錐角膜を克服するためにこれまでハードコンタクト、角膜リング手術といった治療を試みてきました。

しかし、そのどれもが上手くいかず、今は裸眼で生活してます。

医療が進歩すれば新たな治療方法が見つかるかもしれませんし、技術が進歩すればスマートメガネみたいな感じで、スマホのピンチインとかのジェスチャで見たいものをズームインしたり色反転してくれるメガネが出ないものかと期待しています。

車も自動運転が発達したり、その他にもUberみたいなシェアリングエコノミーが広がればハンディに制限されずに暮らせる日がくるんじゃないかとも思っています。

よく見えないというのは不便ではありますが、私自身は今は昔ほど円錐角膜のことで気を病んだりはしてません。

それこそ昔は「仕事をどうしよう」という悩みが深かったからなんですが、今はネット使えば個人でも普通に飯が喰える時代です。

「「では、円錐角膜の人にはどんな仕事の可能性があるか?」」

次回、私自身のことも含め、円錐角膜シリーズの締めくくりとして円錐角膜と仕事の関係について書いていきます。